top of page
検索

劔岳(別山尾根)

  • 執筆者の写真: 東京都庁山岳部
    東京都庁山岳部
  • 2019年4月27日
  • 読了時間: 3分

2019年4月27日~29日 メンバー:K、H、S


1日目 吹雪 8:50室堂~12:30別山乗越

2日目 快晴 5:00小屋発~7:30剣山荘~11:00カニの横這い手前~11:40カニの横這い上~12:00剱岳山頂~15:30剣山荘

3日目 晴のち曇 5:30発~7:30別山乗越~10:10室堂~12:20扇沢駅


1日目

前夜バスで扇沢駅で仮眠。6:30の新型バス等で室堂に。雪がすでに降っている。冬型で1日雪の予報。雷鳥沢を上がり始めると完全に吹雪、視界10mもない。赤旗が10mくらいに打ってあり助かる。数パーティが登っているがすぐにみえなくなる。風もどんどん強くなる。目の前のトレースはすぐに消える。稜線に上がると風がまともに吹き付ける。小屋はどこだ、赤旗を頼りに進むとようやく乗越しの便所が見えて安心する。女子を誘導しに戻る。小屋で小休止させてもらい再出発するが、剱沢は乳白色のホワイトアウト。1歩先も見えず上か下かもわからない。仕方なく小屋に素泊まりした。


2日目

二時半起床。夜中じゅう続いた風が止まない。朝食をとり身支度を整えているとようやく風が止み明るくなった。外へ出ると、快晴。雲ひとつない。風が吹き払ったらしい。誰もいない剱沢にトレースを刻んでいく。剣沢幕営地に一つテント跡あり、そこからはすでに2人が先行していた。6:50に剣山荘、軽く整地してテントを仮張りしシュラフ等を残置。

先行のトレースをたどる。荷物が大きく動きはゆっくりだが若い男二人のルート取りには無駄がない。ほどなく追い付き一服剣でラッセルを替わる。ラッセルすると昨日の降雪は安定していることがわかる。約1名がビビっているので急な雪壁からザイルを出す。見下ろす平蔵谷にはトレースがありスキーで登ったようだ。平蔵コルのハシゴを通過しカニの横バイは露出した鎖に掴まり登る。高曇りだが風がない。


最後の雪面を登り切ると、早月尾根が左から出合い、ほどなく山頂であった。祠はほとんど雪に埋まり屋根が少し出ている程度。山頂から360度の絶景を楽しむ。先行の二人や後行の3人女性パーティと言葉を交わし、のんびりする。我々のほかには5人しかいない静かな別山尾根であった。

穏やかな山頂で一人しみじみする。振り返れば別山尾根の向こうに弥陀ヶ原の雪の回廊、西は早月尾根の向こうに富山湾と能登半島、北は毛勝岳や北方稜線、東は八ツ峰の向こうに後立山連峰。過去5回黒部川を横断して剱を目指し3回は登頂した。北方稜線も3回のうち2回ここまでやってきた。年末年始の八ツ峰も忘れられない。今まで剱はずいぶん自分を鍛えてくれた。お世話になった。

下りは往路をそのまま下った。単独の男性とすれ違った。剣山荘のテントでは昨日仕入れておいたビールで乾杯。


3日目

起きるとSの目がまるで埴輪のように細くなっている。瞼を日焼けでやられたらしい。行程に余裕があったので立山に登る案もあったが、止めておく。雷鳥平はスキーヤーや家族連れで賑やかだ。晴天で風もなく穏やかだ。たくさんの人がいる。一昨日の雷鳥平で吹雪かれたのは本当だろうか。

扇沢に着く頃には、雨雲が空を覆い始めていた。大町温泉で汗を流し、Newあずさで帰京した。




 
 
 

Comments


  • Instagram
  • Facebook
  • YouTube
bottom of page