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トムラウシ大雪山

  • 執筆者の写真: 東京都庁山岳部
    東京都庁山岳部
  • 2017年8月16日
  • 読了時間: 5分

8月16日~18日 メンバー L:W、K、N

去年の秋、南八ヶ岳を2泊3日で縦走した友達と、今年も登山することになった。Kの勤務地が盛岡なので、アルプスよりも北海道へ行くことに。当初、大雪山→トムラウシの予定だったが、ルートを考えた結果、トムラウシ→大雪山に変更した。トムラウシからの下山道が長く、退屈であったからだ。逆に時間をかけて登るのは割と好きだった。結果的にこの判断は正しかった。

 

8月15日(火) 曇り 盛岡からKと新幹線と電車で札幌へ。天気は予報通りあまりよくない。ずっと曇りのようだ。札幌からはレンタカーで帯広駅へ。観光しながら行くつもりだったが、ぎりぎりになってしまったので、直行した。車は運転席から正面を見ると、フロントガラスにプロジェクターのように文字が浮かび上がり、運転を補助するようだ。助手席からは何もみえない。寄り道しなかったので結局Kの試乗会になってしまった。帯広でNと合流し、電車で新得駅へ。新得についてからは、トムラウシ温泉から源泉を毎日運んでいるという、新得町営温泉へ。22時まで空いており、値段も安く、快適である。温泉に上がってから、駅で寝ようと思っていたが、駅員がいつまでいるので、そこらへんで寝ることにする。高校生のような風貌の約10人のパーティーが木の下のベンチで寝袋にくるまっていた。我々はバス停の庇の下で寝ることにする。夜小雨が降りはじめた。今回シュラフカバーを持ってきておらず、それでも化繊のシュラフなのでいいかと思っていたが、シュラフカバーなど存在も知らないKはダウンのシュラフである。このまま雨が強くなるとまずいなと思ったが、朝起きてみると雨はとうに止んでいたようで、3人の寝袋に被害はなかった。

 

8月16日(水)曇りのち晴れ 予約していたバスにのる。乗客は我々3人と高校生パーティーだ。トムラウシ温泉に到着後、準備をして登山開始。登山道のぬかるみはひどいもので、これだけで下山に使用しなくてよかったと思うくらいだった。休憩をはさみつつ、稜線に到着する。さすがにコースタイム8時間くらいを登りっぱなしで、疲れた。行動食は1、3日目は500kcl、2日目は1000kcl(一人当たり、昼食を別途食べる)にしたが、1日目は全部なくなってしまった。トムラウシ山頂直下のひらけたキャンプ場にテントを張る。途中の沢で水を汲む予定だったが、枯れ沢になっており、登った先の雪渓で水を汲んだが、テント場にも雪渓があり水は汲まなくてもよかったと思った。が、その水の水質があまり信用できず(沼の水)、汲んだ水は雪渓から直接したたる水を汲んだもので、とても美味しく(エキノコックスの心配はしなくてもよいように思うくらい)結果的にこれは正解だった。ペミカンとビールを雪渓に埋め、トムラウシにアタックする。快晴ではないが、まあまあいい景色だった。テント場に帰還後、冷えたビールで乾杯。米3合とペミカンを食す。割りとはやく就寝。Kがあまり酒を飲まないのが少し肩すかしだった。 夜、3時頃Kがテントの外に出たので、夜空の様子を尋ねると、快晴とのこと。テントを出てみると、天の川が見えるくらい澄んだ星空が輝いていた。

 

8月17日(木) 晴れ時々曇り

3時頃起床。5時頃に出発するが、すでに明るくなっていた。北海道の朝は早いようで、4時に出発してもよいようだ。Nに雪渓に埋めたペミカンを回収してもらうが、なかなか帰ってこない。ようやく戻ってくると、ペミカンがなくなっているとのこと。Kに探しに行ってもらうが、やはり帰ってこない。出発の準備が完了したので、雪渓にむかう。やはりない。かなり掘り起こしたがなかったため、諦めて出発することにする。犯人は獣か人間かで雑談しながら先へ進む。いずれにせよ、食糧はテントの中にしまうべきだった。今日はトムラウシを抜けて大雪山系に至るロングルートだ。今まで見たことのない広大な自然に圧倒された。道標のペンキもまばらで、ガスに巻かれるとかなり厄介だと思った。幸い曇りだったため、コンパスの出番はなかった。あとで後ろを振り返るとペンキが各所に見られ、やはり大雪山→トムラウシが一般的なルートなのだろうか。その後、時々晴れ間を見せながら縦走が続く。化雲岳の切り立った斜面が印象的な地形、忠別岳の同じくクライミングができそうな崖に圧倒される。どちらも化雲沢川を取り囲む地形となっており、かなり急峻な地形となっていた。忠別岳の山頂で休憩をとる。見ると、外国人のカップルが山頂で休んでいる。地図は外国語のもので、海外にも人気な山なのだと思った。休憩後、今日の目的地である白雲岳キャンプ指定地に向けて爽快な平原漫歩を進める。ヒグマの出没地域であったが、かなり人間が踏んでいる痕があり、これではクマは近寄らないだろう。白雲岳キャンプ指定地に着くと、夕食にとりかかるが、ペミカンがないため、寄せ集めの鮭とば等つまみを入れて炊き込みご飯とした。まあまあ美味しかったが、鍋が焦げ付いてしまった。就寝時、中国人の集団がガチガチのキャンプ用品(キャンプ用の4足タープ、椅子、机など)の中でいつまでも飲んでおり、うるさかったが、気付いたら朝になっていた。

 

8月18日(金) 曇りのち雨 3時ごろ起床。誰も起きていなかったがそそくさと出発する。朝食べたラーメンが昨日焦がした鍋の焦げた味がしてめちゃくちゃ不味かった。北海岳~荒井岳を経由して北海道の主峰である旭岳へ向かう。途中北海岳で御鉢平を眺めることができた。煙がたっており、有毒温泉という名の天然温泉があるらしい。立入禁止だが地図には温泉マークがついており、Kの話では入浴する強者もいるようだ。旭岳への急登は今回の縦走で一番辛かった。だが、雪渓はグズグズになっており、難易度は低く、着実に歩を進めた。山頂でうどんを食べるが、これがまたとてつもなく不味い。山のうどんは初めてだったが、とてもしょっぱい。きちんとぬめりをとるべきだが、そんな水はない。それでもこれだけしょっぱいとは思いもしなかった。市販のつゆをつけるが、このつゆも抜群に不味い。最近流行りの少量の麺に絡めるタイプのつゆだが、しょっぱい麺とからみ絶妙なすっぱさを演出していた。3日目の飯はすべて不味かった。旭岳にいると今回初めての雨が降りはじめ、いそいそと撤退する。下りはなかなか急だったが、その分スピーディーに下山できた。ロープウェー駅に到着。3人で握手。また3人で旅をしたい。

 
 
 

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