八ヶ岳・中山尾根2016年12月3日(土)
- 中山
- 2016年12月3日
- 読了時間: 3分
L. 川島、中山 年末の前穂高岳北尾根の練習のため、雪と岩のミックスルートとして八ヶ岳中山尾根に登った。当初は尾根上で1泊する予定であったが、私に急用ができて前夜泊1泊2日のアタックを想定した行程に切り替えた。 12月3日(木) 晴れ 美濃戸口6:37…行者小屋10:00…中山乗越…中山尾根…主稜線14:30/14:54…中山尾根…中山乗越…行者小屋17:37…美濃戸口19:33 前日のうちに美濃戸口まで詰めておく。車の横にテントを張って寝るが、夜は寒かった。
6時に起きて美濃戸口から歩き始める。八ヶ岳山荘の駐車場はほぼ満車であった。冬の八ヶ岳は大人気だ。美濃戸山荘から歩き始めると雪が出てくる。行者小屋で水を飲み、靴ひもを締め直す。
中山乗越からロープをまたいで中山尾根に登る。シカらしきトレースがあるが、人は入っていないようだ。

樹林帯を抜けて痩せ尾根を行くと中山尾根下部岩壁に出る。ハーネスを出し、装備する。北隣からは石尊稜を登るパーティーのコールが聞こえる。出発は11:30とだいぶ遅くなってしまった。

下部岩壁1ピッチ目、川島さんリード。正面にボルトがいくつか見られるが、壁が立っていて登れない。遠藤晴行編「ROCK & SNOWBOOKS アルパインクライミング」の説明書きを読んで右の凹角から登る。途中、凹角の外に出るところが高度感がある。
下部岩壁2ピッチ目、中山リード。バンドを左に移動し、雪のついた凹状フェースを登る。凹状フェースに手がかりがなく、思案に暮れる。ほぼ水平に出ている木があるので抱き寄せるようにしながら登る。木から離れて立ち上がるときズルズルとぶかっこうに落ちる。もう一度はい上がるようにしてなんとか登る。その上は雪がついていたので簡単に登れた。
下部岩壁を終えると雪稜歩き。コンテで進む。天気はよく風もない。冬の八ヶ岳と呼ぶにはあまりに穏やかな天気であった。

上部岩壁にたどり着く。上部岩壁は雪が少なく黒々としている。右手の岩にボルトがあり、川島さんが支点を作っていた。
上部岩壁1ピッチ目、中山リード。左から大きく巻くようにして登る。

凹角の垂壁に行く手を阻まれるが残置ボルトがあり、事前にネットで見た写真と同じ場所と気づく。取り付いてみるがバランスが悪く、一度戻る。もう一度挑戦すると1段登れたが、バランスが悪くしかも戻れない。見えていたボルトを掴んで登る。態勢が悪く、ボルトにシュリンゲをかませることはできなかった。なんとか抜け切ると雪の斜面で10m登ると雪稜に出た。50mギリギリで立木にセルフビレイをとった。上部岩壁はこの1ピッチで抜けた。

途中、小ハングがあったが、右へ右へと登っていくとハングの上に上半身が出るので乗っ越すのはさほど難しくない。そのまま尾根を登っていくとトサカ状岩壁の下に出る。ルンゼを巻くようにして右へトラバースしていけば赤岳ー横岳の主稜線に出た。
予定は赤岳主稜の下降であったが、時間も14:30と遅く、稜線歩きで時間を消費したくないため、登ってきた中山尾根を下ることにする。
最初の小ハングを懸垂下降で下る。最初に下った川島さんがザイルを引くと岩の凹角に引っかかって回収できない。後続の私がザイルをいったん引き上げ、捨て縄を延長して下った。
上部岩壁は50mザイル2本で下る。下部岩壁までの雪稜は所々スタカットで確保しながら下る。バイルも使ってダブルアックスで下る箇所もあった。下部岩壁は1ピッチずつ50mザイル1本を2回かけて下った。登攀準備をした箇所から樹林帯に入るとだいぶ暗い。それでもどこかからコールが聞こえていた。
行者小屋でハーネス等を外し、ヘッドランプをつけて下る。美濃戸口に着いたのは19:30であった。いつも通りもみの湯に入り帰京した。
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