top of page
検索

阿弥陀岳北陵・赤岳主稜 2016年2月27~28日

  • 篠原
  • 2016年3月6日
  • 読了時間: 6分

○ メンバー L川島 篠原

週末の天気が安定しそうなので、八ヶ岳の阿弥陀岳北陵と赤岳主稜に行くことになりました。

阿弥陀岳北陵は、昨年も登りに行きましたが、核心部である岩場が渋滞していて、左側の雪の斜面を経由して阿弥陀岳に登頂してしまったため、あまり北陵を登ったという実感がないところでした。

赤岳主稜は、八ヶ岳の人気ルートで、冬山をする人は、一度は登るコースともいわれており、赤岳の頂まで西側から一気に登り詰めていくのが魅力のようです。登攀的な要素も強く、10ピッチほどザイルを結んでいくことになります。そのため、1日目に阿弥陀岳北陵でザイル操作の練習をして、2日目に赤岳主稜に挑むことになりました。

1日目 | 美濃戸口駐車場~行者小屋~阿弥陀岳北陵~阿弥陀岳頂上~中岳のコル~行者小屋

朝、立川に集合して、車で美濃戸口駐車場まで行き、駐車します。天気がよい予報のため、駐車場にはすでに車がたくさん停まっていました。

7時半に駐車場を出発。アスファルトの道を歩いていると、滑って転んでしまった。よく地面を見てみると、砂等で汚れていて分かりにくいけれど、氷が張っているようです。しかも、凍っているのは一部分だけではなく、相当な部分のようです。

美濃戸口山荘まで、滑らないように気を付けて歩き、一休憩します。ここで、12本爪アイゼンを着けている人達もいました。さすがにまだアイゼンは早いと思い、装着せずそのまま南沢の道を進みます。

南沢の登山道も、大分凍っているところがありますが、注意して歩いていけば大丈夫でした。アイゼンを装着している人の方が多かったですが・・・ 。

しかし、ついにツルツルのアイスリンクのような相当な氷が連続する箇所に到りました。アイゼンなしで行けるか試してみますが、さすがに滑りそうなので、やっとアイゼンを履くことにしました。

その後は、滑る心配がなく安心して樹林帯をしばらく進み、行者小屋のテント場に10時30分にたどり着きました。

行者小屋にテントを張り、必要のない荷物を置いて、11時に阿弥陀岳北陵に向かい出発。文三郎尾根と阿弥陀岳への登山道の分岐点から沢道を進み、北陵に取りつきます。

この辺りの景色は、ひっそりとした雪山の表情をもっていて、お気に入りの場所です。

北陵の初めの方は、簡単な雪尾根です。けれど、中間を超えた辺りで、草付きの急な雪壁になります。いまだに、このような箇所には苦手意識があるので、木の枝をつかんだりしながら、慎重に登っていきます。

そして、北陵の核心部である岩場の基部に着きました。先行した2人組のパーティーが岩場にチャレンジしていましたが、スムーズにこなしていったので、あまり待たずに核心部の登攀を始めることができました。

川島さんにセルフビレイの取り方、エイト環を使った確保の仕方を習い、トップでいく川島さんを確保します。岩場の最初のところは、足場が少なく難しいといわれています。川島さんの動きを観察していると、岩の平たく見えるところのちょっとした出っ張りにアイゼンの前爪を乗せて登っているようです。

しばらくして、「ビレイ解除」という声が聞こえたので、登り始めます。岩場の問題の箇所は、実際に登ってみると、思いのほか難しくて、どのホールドを使えばよいのか迷っているうちに、手が疲れてきたので、一段下りて、少し手を休めます。

今度は、川島さんと同じスタンスを使い一気に登っていき、ホールドを決め、体を持ち上げ、一段上がることができました。その先は、特に難しいところはなく、第二岩峰より手前でビレイしている川島さんのところまでたどり着きました。そこから、第二岩峰の基部に進み、セルフビレイや、確保の準備をします。

第二岩峰も、川島さんがトップで行き、素早く登っていき、私がセカンドで続きます。出だしは簡単であるものの、ナイフリッジに乗り出すまでの雪壁が、急であり、斜面に突き刺したピックの効き具合もよく分からないため、慎重に登ります。

リッジを過ぎると、頂まではあと少し歩いて、到着。登り始めは晴れていたけれど、曇り空になっていました。

明日登る赤岳を望むけれど、主稜がどこかはよく分かりませんでした。

風もあるので、頂上では写真だけを取り、中岳のコルに下ります。やはり下りは苦手なので、ゆっくりと進みます。特に、バックステップの技術には自信がないので、時間をかけて下ります。

中岳のコルからは、沢をルートとします。

フカフカの雪で、順調に下りることができます。

行者小屋のテント場に14時に戻ってきました。

テントでは、川島さんが持ってきてくれた味付け肉で焼き肉等を楽しみました。

15時から16時頃から、外では雪が降り始めていました。

2日目 |行者小屋~文三郎尾根~赤石岳主稜~赤石岳展望台~行者小屋

     ~美濃戸口駐車場

午前2時に起床して、朝食を食べて、ヘッドランプを着けて、4時半に赤石岳主稜に向かい出発。天気は良さそうで、月は雲に少し隠されたりしながらも、輝いていて、赤岳の姿をぼんやりと映し出しています。道には、まだ足跡はなく、私たちが一番乗りのようです。

文三郎尾根を1時間ほど登り、主稜への取付きまでのトラバースでザイルを結びます。

主稜の始まりは、チョックストーンの登りから始まります。ここが核心部ともいわれています。川島さんがトップで行き、スタンス・ホールドを探して登っていき、ビレイをとり、私がセカンドで登ります。

川島さんからの「そこの補助シュリンゲを使い、岩場の上の斜面の雪にピッケルのピックを突き刺して登るのがよい」という助言に従い登ってみる。足場は豊富に見つかるものの、ホールドの選択が難しい。雪面にピックを何回か刺して、ちょうどよいところで手掛かりにして、もう片方の手で岩をしっかりと掴み、腕の力も使い、チョックストーンを乗り越えることができました。

2ピッチ目は、リッジを少し進み、岩場をトラバースして、そこがビレイポイントとなります。3ピッチ目は、そこから岩峰を登ります。川島さんはサクサクと通過していきましたが、高度感もあり、慣れない岩登りながらも、慎重に登っていきました。

何ピッチ目かを登る様子

ビレイポイントで振り返ると、登ってきた主稜のギザギザした姿が美しく、白銀に輝く阿弥陀岳が背後にそびえている。

あまり余裕がなく、何ピッチ目がどのルートかは、正確には覚えていませんが、岩場、リッジ、ルンゼを何回か登っていきます。

リッジは、雪が少なく、草付きのような私の苦手箇所が多くて、足を消耗してしまう。岩場は、ムーブが正しいのか自信がなく、腕の力にも大分頼ってしまい、きれいに登ることはできませんでした。

最後の1ピッチの岩場に苦戦して乗り越え、リッジを登ると、赤岳の稜線に合流し、主稜の登攀は終了しました。

風が強く、登山者も多かったため、赤岳の頂は踏まずに、赤岳展望台に下り、休憩します。

下りは、地蔵尾根をコースにしました。上部は、相当痩せていて、ザイルを付けたまま慎重にくだります。けれども、しばらく歩くと、樹林帯に到ります。

ここの樹林帯の雪景色はきれいでした。

そこからは、スタスタと下っていき、行者小屋のテント場に10時半に戻ってきました。

テントを回収して、美濃戸口駐車場まで下山しますが、やはり途中で氷化した箇所が出てきましたので、アイゼンを装着して、下っていきました。

感想

阿弥陀岳北陵では、ザイル操作の練習を行い、赤石岳主稜に挑戦しましたが、やはり、夏山でのザイル操作、岩登りの経験がないので、相当苦戦してしまいました。ザイルを絡ませてしまうなど・・・。余裕を持ち登攀するためには、総合的に技術を向上させる必要性を感じました。

 
 
 

Comments


  • Instagram
  • Facebook
  • YouTube
bottom of page